コラム

「変える」をキーワードにして、少し肩の力を抜いた、ざっくりばらんなネタをお送りします。「変える」ことに挑む皆さまの気分転換になれば幸いです。

先生、違和感があります。

2019.10.10

私はあまりゴルフには行かないのですが、昔ある時期、ゴルフ教室に通ったことがありました。それまで見よう見まねでやっていたこともあり、先生にフォームを見てもらった瞬間から、クラブの握りに始まり、スタンスの取り方、体の使い方や考え方に至るまで、全否定→ゼロからやり直しの刑に処されたことを覚えています。もう数年前のことなので詳細は覚えていないのですが、今でも頭に焼き付いている先生の名言がありました。一通り指導され、自分なりに教わったことを再現しているつもりでクラブを振りながら、私は「先生、かなり違和感があります。」と訴えました。そこで先生曰く「違和感があるのは変わった証拠よ。」

結局、ゴルフはものになりませんでしたが、あの格言を聞けただけでレッスン代は回収したと思っています。話を会社における業務に戻しますが、これまでなんの疑いもなく日々こなしていた業務のやり方を変えようとする時、体に染み付いたフォームを変えるのと同じような違和感(あるいは不安感)を覚えることがあります。エクセルシートによる計数管理を止めて、あるシステムに一元化する。人間系の下ネゴを止めて、ワークフローで手続きを電子化する等。これらは世間でよくある、ちょっとした変革の手段ですが、その導入目的をしっかりと説明して現場に納得されていないと、結局エクセル管理や下ネゴを並行して行なっているという結果になりがちです。情報共有や統制強化を狙うのは分かりますが、プロセスの一部だけをシステム化するという行為は、ゴルフで言うならクラブだけを最新のものに買い換えるようなもの。なぜそのエクセル管理が必要なのか、なぜ下ネゴが必要なのかについて理解しようとしていません。違和感なく導入できてしまったシステム(あるいは変革)には注意が必要です。変わっていない証拠ですから。

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