コラム
「変える」をキーワードにして、少し肩の力を抜いた、ざっくりばらんなネタをお送りします。「変える」ことに挑む皆さまの気分転換になれば幸いです。
業務改善を阻害する最大の壁

今のやり方を決めたのは上司の上司だった件。
Index
理論武装しなくちゃ
業務改善が進まない理由にはいくつかあります。それに時間を割けられない、費用をかけられない、今は勘弁して欲しいと言われるなどなど。この程度であれば少し本気を出せば乗り越えることも出来ます。現状をしっかりと可視化、分析し、改善案の松竹梅を用意し、想定効果を定量的に示し、やらない理由がなくなるように理論武装するのです。業務改善支援を専門にするコンサルタント達であれば、きっとそのように進めます。しかし、その案が実際に実行に移されないことは珍しくありません。
完璧だと思った改善提案が上司に蹴られる
理屈だけでは進まない事。そう、人間関係です。もの事を変えようとする場合、その現状を作った人が必ずいます。多くの社員がその事実を認知しており且つ、その方が社内でまだパワーを持っている場合、面倒な事は避けて通ろうとする心理が働きます。無邪気な若手が「これおかしいですよねぇ。変えていいですか?」と気を吐いたとしても、周りが止めます。「そこ? やめとけ」と。こういう分かりやすい事情であれば笑い話ですが、中には一般社員にはあまり知られていない事情もあります。やらない理由がないと思われる改善提案を上司に蹴られる。そういう時は、その上司と幹部クラスしか知らない事情があるのかもしれない、と疑いましょう。その事情さえ特定できれば、手の打ち方が見えてきます。
事情を察して
ここから先は理屈を振り回してはいけません。いかに、現状を作った人を傷つけずに、気持ちよく次のステージに進めるかを考えます。あなたの上司はその人を守っているだけなのかもしれません。本当はやるべきだと理解しながらも、自分にその尻拭いが及ぶことを嫌っているだけなのかもしれません。いずれにせよ、過去に判断した当時の環境と、今の環境は異なるという事を前面に出しながら心を解きほぐしてゆく必要があります。成長期・成熟期に入った事業にも、事業の立ち上げ期・黎明期に何らかの事情で妥協して生み出されたプロセスが残っていることがあります。プロセスの品質や効率性よりもスピードを優先せざるを得なかった、当時の重要顧客にあわせてそうせざるを得なかった、もしくは、単によく考える暇がなかった等。
誰も悪くない風に進める
改善の推進者はこのような事情も注意深く想定しながら当事者とオフレコで話し、今までのやり方を変えることをどのように社員に説明するのか、そのシナリオを作ってあげましょう。「過去に囚われずにゼロベースで改革を断行してゆく!」等、社長の訓示を引用し、環境の変化にうまく関連付けて、誰も悪くない風に進めるのがコツです。これはゲーム。最後の詰めを面倒くさがってはいけません。でも、みなさんが上に立った時には、部下がもっと自由に気づきを発信し、行動に移せる雰囲気を作ってあげましょうね。